記憶の種類は短期記憶と長期記憶だけ・・・じゃなかった!!人間の不思議
私たちが持つ記憶というのは、短期記憶と長期記憶があって短期記憶を繰り返していくと長期記憶になると理解しているのではないでしょうか。
それ以外に何がある??と思うよね。
実は、記憶の種類はそれ以外にもあるみたいです。
いきなり答えを書きますが、それは以下の2つです。
- 感覚記憶
- 手続き記憶
試験勉強、受験勉強でなかなか公式が覚えられないとか、単語が覚えられない、意味が覚えられないという悩みを持った人はいると思うし、テキストを見て、すぐに覚えられたらどんなに最高か。
テレビに出てくるような記憶の達人とか、どんな脳みそしてんだろうかと妬ましく思えるよね。
感覚記憶と手続き記憶は試験勉強にも少しは役に立てることができるかもしれません。
感覚記憶とは
人間の五感で得られる超短期記憶のこと。
肌が衣服に触れているという感覚、ツルツルしたものを触った時の感覚、音楽を聴いたときの聴覚、ニオイを嗅いだときの嗅覚。
こういった感覚で覚える記憶のことですが、通常は意図して意識を向けなければ一瞬にしてその記憶は消えてしまいます。
ところが、なにかの香水の匂いを嗅いだときに、誰かのことを思い出す。
そんな記憶があったとしたら、それは嗅覚から得た感覚記憶が長期記憶へと固着されたものになります。
デジャブ(既視感)も同じようなことが言えます。
体験したことがないはずなのに、過去にどこかでまるで体験したかのように感じてしまうのも、脳のどこかに似た記憶が残っているからです。
それは視覚から得た感覚記憶かもしれません。
記憶というのは、情報が入ってから出ていくまでの一連の過程を指すのであって、インプットとアウトプットのどちらかが欠けても記憶は成立しない。
その入り口となるインプットは感覚記憶から始まります。
感覚記憶から記憶対象に向けて意識がいき、それが短期記憶になる。
短期記憶しないと長期記憶には移行しないし、短期記憶から長期記憶に移行させるためには、繰り返し思い出すという作業(想起練習)が必要です。
手続き記憶とは
一方で、自転車に乗るとか、泳ぎ方を覚える、ひらがなを書く、パソコンのキーボードをブラインドタッチする、車の運転の仕方を覚えるというのは、手続き記憶と呼びます。
自転車をこぐのに、いちいち「次は右足をペダルに乗せて・・・」なんて考えている人はいないはず。
無意識のうちに体が覚えているものです。
文法を覚えるとか、英単語を覚える、公式を覚える、年号を覚えるという記憶作業は陳述的記憶と呼び、短期記憶とか長期記憶と呼ばれているのは陳述的記憶のグループに入ります。
でも、手続き記憶は頭で理解して覚えるという記憶ではなく、自然と「こうきたら、こう」というように体で反応する記憶なんです。
でも、ひらがなを書くとか、パソコンのキーボードをブラインドタッチするというような作業は、最初のうちは頭で考えていたはずです。
それが、繰り返し作業をしていくうちに”無意識”の領域に入って、やがて手続き記憶になっているのです。
これぞ人間の不思議だと思いませんか?
なので、試験勉強で覚えたい公式があったとしたら、繰り返し何度も書きまくるというのは覚えたい対象を手続き記憶に固着させるためには有効な方法だとも考えられるわけですし、実際に、何度も書きまくっているという学生は多いのではないでしょうか。
しかし、実はこの方法はあまり良くないみたいですよ。
正しい記憶は正しい方法で覚えないと、実際の試験では応用できなくなってしまうからです。
もちろん、100%意味がないというわけではないし、手続き記憶も活用するとよいけれどもそれだけに頼ってはいけないということです。
試験勉強・受験勉強には正しい記憶法を使うべし!!
正しい記憶の方法とは、短期記憶をいかにして長期記憶にするかということを実践する方法です。
そして、何よりもまずは短期記憶をいかにするかが重要です。
短期記憶できていないことには長期記憶には移行しないからです。
世にある記憶術と呼ばれる記憶の方法は、全て短期記憶のための手法です。
膨大な量の情報をどれだけ効率よく短期記憶できるかを考えたのが記憶術なのです。
世界記憶力選手権に出場するような人たちが使う記憶術もすべて短期記憶のための手法です。
つまり、短期記憶から長期記憶への移行は、記憶術を使った後の別の方法があるのです。
それこそが、反復練習(想起練習)です。
何度も何度も繰り返して、短期記憶を思い出すことで長期記憶に固めていくしかない。
ちょっとガッカリしたかもしれませんが、記憶のメカニズムが脳のなかで決まっている以上は、そのメカニズムに沿って実践するしかないのです。
もちろん、想起練習にも正しい方法、効率よく行う方法というものはあります。
短期記憶を効率よく長期記憶に移行する方法。
それについては、次の記事で紹介しようかと思います。