大丸百貨店が女性ターゲットの「michikake(ミチカケ)」を作った理由
大丸梅田店(大阪市北区梅田3)5階に11月22日、女性をターゲットに内面にも寄り添って展開するという新ゾーン「michikake(ミチカケ)」がオープン。
テレビやラジオ、ネットでその情報が流れています。
女性のホルモン周期によるイライラとか、体調不良への対策商品やスキンケア商品などが中心に置かれるエリアのようです。
百貨店を利用する女性の客層は?
これは、マクロミルによって調査された結果ですが、百貨店の利用頻度を男女世代別にアンケートを取ったものです。
その結果、女性全体では1か月に1回の利用をする人が58.4%とやや過半数くらい。
今回、大丸百貨店が新たにオープンしたミチカケ(michikake)の公式サイトでは以下のような文章が書かれている。
ミチカケでは、女性のさまざまなリズムに寄り添うべく、「キレイになりたい」「おしゃれをしたい」といったニーズに応えるコスメやお洋服・雑貨のほか、女性のデリケートな悩みや不安に向き合うための漢方やサプリ・寝具などを取りそろえます。
女性の性や生理といったジャンルにもクローズアップしています
ということからも、20~40代がメインターゲットであろうと推測できます。
もちろん、50代、60代、それ以上の女性にもセールスできる商品のラインナップはあるでしょうが、メインは?と聞かれると20~40代でしょう。
では、利用頻度が多い世代を見てみると、20代と60代が多いですね。
これは、日々の時間的余裕のある・なしが影響しているものと思われます。
30~50代といえば、仕事をしている女性の比率が多い世代です。
20代は学生であったりして比較的に時間の余裕があるので、百貨店にも足を運びやすいですし、60代もバリバリ仕事をしている人の比率が下がる。
ただ、20代はまだ金銭的な余裕がない人の割合も多いので、百貨店側からするとどれだけお金を落としてくれるか?という点を考慮して、よりリーズナブルな商品をそろえていく必要があると思う。
百貨店で購入するものは何か?
世の中のみんなは、百貨店を利用するのは何を購入するとき?
こういう調査も必要です。
すると、20~50代の女性では圧倒的に「お菓子・スイーツ」が過半数を占めています。
デパ地下人気も高く、様々なイベントが定期的に行われているのも百貨店を支えているのがデパ地下であるという証拠かもしれません。
百貨店の利用頻度が高い60代女性は贈り物や服などを購入することが多いようです。
そうすると、大丸のミチカケ(michikake)が売りたいモノが訴求対象になるかどうか?というと難しいところはありますね。
30代、40代になると、既婚者(主婦)の割合も増えるので、自分のために使うお金の割合が減る傾向にあると推測できます。
夫のもの、子供のもの、あるいは家族で使うものからお歳暮やお中元など。
そういった部分から、いかにして「自分自身のため」にお金を捻出してもらえるかの戦略を練ることがミチカケ(michikake)の成功のカギを握ると言えます。
あえて百貨店で購入する理由
私たちが百貨店に足を運ぶ理由はなにか?
アンケートの結果は「品揃えの豊富さ」が圧倒的多数でした。
あとは主要都市部にあることから、アクセスの良さが挙げられますが百貨店としておさえておかないといけないのは、商品そのものに対してお客がどのようなことを望んでいるか?に応えることです。
ということは、とにかく商品ラインナップを豊富にすることが1つであることがこのアンケート結果から明確です。
「CMでやってたあれが欲しい」と思って百貨店に行けば、必ずある。
それがニーズに応えるということです。
ミチカケ(michikake)が女性のホルモンバランスなどの悩みに訴求した商品を中心に置くというのであれば、多くの女性が期待する”こと”をよりジャンル分けした売り場設計にされていることが望ましいと思う。
例えば、「このような悩みには・・・」という症例ごとに売り場が分かれているとか。
あるいは、自分では気づいていないことに気付かせてあげる診断ブースがあるとか。
大丸がミチカケ(michikake)というエリアを作った理由は、”買う”という目的を持った女性客をより集中的に集めるためだと推測します。
男性は購入するものが決まってから買い物に出かけることが多いですが、女性は「見てるだけ」というウインドウショッピングが多いという特徴があります。
あと、買うものが決まっているけれども、売り場の中で寄り道をするのも女性の特徴。
店の中に入ってくる確率が高いのは女性だけれども、購入率が低いのも女性。
なので、いかにして店に入ってきた女性客の財布のひもを緩めるか(購入率を高めるか)がポイントであり、ミチカケ(michikake)はそこに一手を打ったという形でしょう。
そこに行くことの「特別感」がつくれるかどうか。ミチカケ(michikake)の未来はそこに委ねられていると言えます。
今後の動向に注目したいですね。